「大和ミュージアム」 課題・見学記

U、講演「軍事と科学技術を語る」 要旨
               2005年7月25日、大和ミュージアムにて


     岩井忠熊 立命館大学名誉教授

 岩井氏は米軍の上陸用舟艇に体当たり攻撃をおこなう「震洋」の元隊員でした。

 大和ミュージアムは、旧日本海軍が日本を「大和」に代表される
世界一の科学技術立国に育て上げたとうたっています。
 「科学技術が軍事と結びつかなければ発展し得ないかのように語る、
この館の考え方は間違っている」と批判しました。
 岩井氏は日本の技術力について、「欧米から輸入して日本流に改良したもの。
日本の独自技術も部分的に生まれたが、大部分は欧米技術を応用している。
一部分を誇大化して『大和』や日本は世界一だと、ほめ称えるのは常識を逸している」と指摘しています。
「『大和』でなければ、日本の科学技術の発展がなかったのか」と問題提起したうえで、
「軍事に投じた巨費を、民生分野に生かせば、
もっと国民生活を向上させる技術力を生み出せたはず」と強調し、
 「科学技術が軍事に依拠して発展せざるを得なかった歴史の事実を問い直すことこそ、
未来に向かって問いかける根本問題ではないか、
 そうではなく旧日本海軍の役割はすばらしかった、という教訓を引き出そうとするのは、
やはりどこかおかしい」と語りました。                以上




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