亀ヶ首 東(本)試射場を歩いてみる

2、本部建物、諸施設の遺構を探る

  現存遺構配置図  烹炊(ほうすい)所  事務所
  検速室  三窟全景(参考)  三窟・記録室
  トロッコトンネル  突堤揚陸場北方向  爆破槽


  亀ヶ首 東(本)試射場は、地形的には次の5部分によって構成されている。
?、本部や測定室のある居住区の谷は、岬の山と高さ12mの防護堤防で囲まれている。
?、火薬庫の谷には各種の火薬庫がある。 南北の土堤(短い)で隔離されている。
?、大砲要具格納庫の谷も南北の土堤(やや短い)で隔離されている。
?、桟橋突堤と発射場の平地  幅百メートル、長さ百五十メートル
   ガントリークレン・射場・射朶(しゃだ)等があり、南海岸部には爆破実験槽がある。
   南北の高さ5mの防護土堤で隔離されている。防護土堤の内側や土手内には、
   観測・測定用の三窟や発砲壕、砲弾薬運送用のトロッコトンネルがある。
?、桟橋突堤から本部前を通り、トンネルを西に抜け西射場に至る海岸線には狭軌の輸送道があった。


?、居住区の谷と?火薬庫の谷、および?大砲要具格納庫の谷を探索する
1、建造物の遺構
  烹炊(ほうすい)所(調理場の海軍用語)
  鉄筋コンクリ−ト製 40名くらいが居住していた規模と思われる。
  烹炊(ほうすい)所  烹炊所内部天井  ゴミ箱
烹炊所裏  排水溝  烹炊所  烹炊所裏

2、《井戸》 深さ3間(5m)、直径4尺の円形、周囲は粗石空築、レンガ、流し場、屋根を設置。
  事務所前井戸
  井戸  井戸  5mの井戸の中


3、事務所・高等官室  レンガ建ての平屋で、外郭の大部分が残存。
  事務所  事務所  事務所
  事務所  事務所  事務所
  事務所  事務所  事務所横観測所


  事務所内部  上部  天井梁穴
    出入り口  出入り口
  出入り口  通気口    事務所


4、《検速室》
 鉄筋2重隧道式、外側隧道幅=7米、高長11米、内側隧道幅=5.1米,長8.8米。
 此の谷の最奥に位置し、割に原型を止めて現存する。
 南の岬山の裾に馬蹄形に掘り込まれ、セメントで塗り立ててある。
 僅かな支えを介して此の中に同心状にセメントで馬蹄形の掩蔽で覆われている。
 砲弾の初速を測る場所だった由で、爆風や大地の震動の影響を受けにくくした構造なのであろう。
 その情報は、ケーブルを通じて測定所へ通じていた。
 測定所は震動を避けるため、一山越えた場所に築かれた
 頑丈な二重の擁壁でガードされたドーム状の空間。
 大正9年10月  堤防増築 36糎砲領収時 高さ6呎増加、が公称19-20で放置
(大正9年12月、11年2月、本年1月の事故)
   在来堤防24尺を36尺に増築する。 土手高12米で11米高の覗窖室

  検速室  検速室  検速室
  検速室内部  内部  内部
  内部  内部  内部


5、、新射場通路新設
 昭和8年、新射場通路新設 250米、巾3,1米
起重機運行用敷地開鑿=1万立米。新射場に通ずる軌道敷地、狭軌350米。
本部のある東(本)射場から海岸線を北上し、トンネルを抜けて、(新)西射場へ
本部前  北射場方面  本部前桟橋跡
  本部前  本部前新旧道  本部前新旧道

6、砲火薬庫新営=30米、鉄筋2重隧道式、外側隧道幅=9米、長25米、 内側隧道幅=15.5米。
  炸薬庫新営=48平米、鉄筋土中式2重壁。黒色火薬庫新営=48平米、鉄筋土中式2重壁
 土堤  火薬庫を遮断するものである。トンネルで火薬庫の谷と連絡している。
この堤も北側の端は崩れ、堤の上には樹木が繁茂して居る。
 堤の北の端の方には記録室があった。
 戦後、米軍により爆破、破壊された。
  火薬庫跡  火薬庫残骸  火薬庫残骸
  残骸  残骸  残骸
  残骸  残骸

7、大正7年8月  井戸増設及び下水移転、排水溝を海岸へ排水
  裏手石垣  土手  水槽  本部前排水溝


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